お知らせ/ ブログ

2025-06-15 07:30:00

 おはようございます!

 昨日から突然30度越えになり、暑くなりましたね…

 今週は、梅雨の小休止で晴れの日が続き、30度越えも続く予報となっていますので、急激な気温の変化、熱中症などお気を付けください!

 

 さて、先週金曜日に「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」(以下、「年金制度改正法」と呼びます)が、参議院本会議において可決・成立しました。

 

 この年金制度改正法の概要について、以下に要点をまとめました。

 

 この改正のねらいは、社会経済の変化を踏まえて年金制度の機能強化を図ること、働き方や男女の差に中立的で多様なライフスタイルや家族構成に対応した制度を構築すること、所得再分配機能の強化や私的年金制度の拡充により高齢期の生活安定を図ることです。

 

 I. 公的年金制度の見直し

 1.被用者保険の適用拡大等(短時間労働者・個人事業所)

 ◦短時間労働者(パート労働者など)の厚生年金等の適用要件の改正

 ▪賃金要件を撤廃します(年収約106万円相当)。

 ▪企業規模要件を段階的に撤廃します。

 •2027年10月1日以降、2035年10月1日までの間に、従業員数が35人超、20人超、10人超の企業も段階的に適用対象となります。

 

 ◦個人事業所の適用業種の拡大

 ▪常時5人以上を使用する個人事業所のうち、これまで適用外だった農業、林業、漁業、宿泊業、飲食サービス業などの業種も被用者保険の適用事業所となります。

 ▪ただし、施行時に存在する既存事業所は、経過措置として当分の間適用されません。

 ◦支援策

 ▪適用拡大に伴い、労働者の保険料負担を軽減できるよう、保険料負担割合を変更し、労使折半を超えて事業主が負担した保険料を制度的に支援します。これにより、労働者の手取り減少を緩和し、就業調整を減らすことを目指します。

 

 2.在職老齢年金制度の見直し

 ◦年金を受給しながら働く方の年金支給停止となる収入基準額を、現行の50万円(2024年度価格)から62万円に引き上げます。(今年度は51万円です。)

 ◦これにより、高齢者が働きながらより年金を受給しやすい制度になります。

 

 3.遺族年金の見直し

 ◦遺族厚生年金の男女差を解消し、女性の就業率上昇などの社会変化に合わせます。

 ▪18歳未満の子がいない20~50代の配偶者を原則5年の有期給付の対象とし、60歳未満の男性も新たに支給対象とします。

 ▪これに伴い、5年経過後の給付継続、死亡分割制度の新設、有期給付加算の新設、収入要件の廃止、中高齢寡婦加算の段階的見直しなどが行われます。

 ▪既に受給権を持つ方、60歳以上の高齢の方、18歳未満の子がいる20代から50代の方には現行制度の給付内容を維持します。

 ◦子に支給する遺族基礎年金について、子の選択によらない事情による支給停止を見直します。これにより、子が遺族基礎年金を受給できる可能性が広がります。

 4.厚生年金保険等の標準報酬月額の上限の段階的引上げ

 ◦保険料と給付の算定に用いる標準報酬月額の上限を、現行の65万円から段階的に75万円へ引き上げます。

 ▪具体的には、68万円(2027年9月)、71万円(2028年9月)、75万円(2029年9月)と段階的に引き上げられます。

 ◦これにより、上限に該当する方の保険料と将来の年金額が増加し、厚生年金制度全体の財政改善にもつながります。

 

 5.将来の基礎年金の給付水準の底上げ

 ◦将来の財政検証で、基礎年金と厚生年金の調整期間に著しい差異が見込まれ、所得再分配機能の低下により基礎年金の給付水準が低下する場合には、両年金のマクロ経済スライドによる調整を同時に終了させるための法制措置を講じます。

 ◦これにより、基礎年金の給付水準の向上を図ります。

 

 II. 私的年金制度の見直し

 1.個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入可能年齢の引上げ

 ◦iDeCoの加入可能年齢の上限を70歳未満に引き上げます。

 ◦これにより、働き方に関わらず、60歳以降も長期的に老後資産形成を継続できるようになります。

 

 2.企業年金の運用の見える化(情報開示)

 ◦厚生労働省が企業年金の運用状況に関する情報を集約し、一般に公開することとします。

 ◦これにより、企業年金を行う主体や加入者が、より良い運営を目指すための環境を整えます。

 

 詳しくはこちらをご覧ください。

 <年金制度改正法が成立しました>

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00017.html

 

 今回の改正は、特に遺族年金の改正についてSNS等でかなりの批判がありました。この改正の趣旨から考えると、男女が同等に働くことができる社会が実現していることが前提になろうかと思います。性別に関係なく一人ひとりが自立した働き方を実現させるために、現在、未来を中長期的に考え将来設計をしていかなければならない時代になったと思うばかりです。みなさんはいかがお考えですか。

 

 それでは、今週も実り多き一週間にしていきましょう!

 今日も元気にいってらっしゃ~い👋